ある日、目がさめたら歯ブラシがなくなっている。
ある日、目がさめたら手鏡がなくなっている。
ある日、目が覚めたら。
いやあなんでセンチなんでしょう。
元の意味とはちがう意味で家族と縁のうすかったぼくは、
だから誰かにかこまれているのが好きで、
そういう環境をいつも求めているのかもしれない。
けれど誰でもいいわけではなくって、
かといって特定の誰かじゃなきゃだめなわけでもなくて、
さみしがり、というのとはだからすこしだけちがうとおもう。
ぼくは自分をとてつもなく広い砂漠のなかで
めちゃくちゃ光るコンタクトレンズのワンデーアキュビューのように
磨いて 、それをみつけてくれるひとを待っている。
のかもしれない、といまはそうおもう。
ウィスキーを飲んでいるからかもしれないけれど。
とても語弊のある表現をつかえば
ぼくの日々はかなり不穏なほうへ風がふいてきましたよ。
けどまあ、穏やかである必要はない。
いろんなことに傷つきながら、喪いながら、
なんであれ歩きつづけることでしか返せないことや
提示できないこと、昇華できないことがある。